そこらへんの猫に生き方を学ぶ

チョコ泥棒

2014年10月15日 12:00

野良猫が、僕に近づいてきました。

僕は「餌はないぞ」と、胸の内で呟きました。

猫は、無言でしたが、何かを訴えているようでした。



猫は、僕の目をじっと見つめました。

僕も、猫の目をじっと見つめました。



そこは、コンビニの前でした。

僕は「ポテロング」を買っていました。




猫は、まだ僕の目を見つめていました。

僕は、耐えきれず猫から目を背けました。




猫と出合う前から、僕は
既にポテロングの封を切っていました。


猫と出合ったとき、僕は
既にポテロングを口に咥えていました。




猫は、変わらず僕を見つめていました。

僕は、逃げるように車に乗り込みました。




エンジンをかけると、
ガソリンメーターの針が、
「E」に限りなく近いところを指していました。

窓の外を見ると、
猫が、僕の車の限りなく近くに寄っていました。



無理矢理車をバックさせると、
猫も少し遠ざかりました。
でも、相変わらず、僕を見つめています。








僕は、窓を開け、ポテロングを2本、
猫に向かって投げました。


猫は、動きませんでした。




食べろよ。




コンビニの駐車場からでるとき、振り返ると、
猫はポテロングに向かって歩いていました。

僕は、なぜか微笑んでいました。



人生、しつこさや粘っこさが大事なのだなぁ。



あいつ、ちゃんと残さず食ったかなぁ

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